【大和野菜】は“家族野菜”
【農家レストラン清澄の里 粟】オーナーの三浦雅之さん陽子さんご夫妻は
奈良の伝統野菜【大和野菜】の調査研究、栽培保存を手がけ、
大和野菜の復興を核に地域づくりを進める
大和野菜の第一人者でいらっしゃいます。(Project粟)
柔らかい優しい笑顔が印象的なおふたり。
私はお話をさせていただく中で「大和野菜」への興味とともに
「伝統野菜とともにある暮らし」に強く惹かれていきました。
そこには[幸せに生きることの本質]があるように感じたからです。
ひとつは「大和野菜は家族野菜」であるということ。
大量生産に向かず手間もかかったりして、売るためではなく
ただ「家族が好きだから」「家族が楽しみにしてるから」と
純粋な家族への思いだけで作られてきた野菜は”家族野菜”であり愛情そのもの。
地域にある珍しい野菜、という表面的なものでなく、
それが作り続けられてきた背景に目を向ければ温かい物語があることを教えていただき、
野菜を育て、いただくことの根底にある大切なことに触れた気がしました。
ふたつめに「伝統野菜のある食卓には7つの風が息づく」ということ。
7つの風というのは
「風土」「風味」「風景」「風物」「風習」「風俗(ふぞく)」「風情」のこと。
家族や仲間の喜ぶ顔を思い浮かべながら種を守り継いできた「伝統野菜」がある地域には、
生き物を育む豊かな土(風土)があり、
そこで生まれる地域の味(風味)がある。
そして、田畑をとりまく環境や生物の多様性が美しい景観(風景)を作り
食べ物をいただく器などの物(風物)や、生活文化(風俗)が生まれ
地域の習わし(風習)が受け継がれ、
家族や地域の人とのつながりや人を思う心(風情)が育まれていく…
そんな7つの風のお話を聞いていると、自然と
素朴で温かくて、人々の笑顔とともにある美しい景色が目に浮かび
そこにこそ“心豊かで幸せな暮らし”があるのではという気がして
もっと大和伝統野菜を知ってみたいと思いました。
【粟】に込められた思い
伝統野菜の復興で地域づくりを進める三浦さんご夫妻が
大和野菜をおいしく食べて気軽に親しんでいただく拠点として
2002年にオープンした【農家レストラン 清澄の里 粟】は
オープン当初から連日予約のお客様が絶えず
2012年にはミシュランガイド一つ星を獲得されています。
店名の【粟】には
「大和伝統野菜が広がる種火のような場所となりますように」
そんな願いが込められているそう。
ひと粒の種から約一万粒の籾が実る粟は
大安に並ぶ縁起のよい吉日「一粒万倍日」の語源とされていて
また大和言葉では「あ」はすべてのはじまり
「わ」はすべての調和を表すとされており、粟はまさに“豊穣の象徴”
「一粒の種が1万に実り、すべての始まりですべてが調和する」
そう伺って、家族野菜や7つの風のお話とも繋がり「幸せに生きることの本質」「本当の豊かさとは」そんなすべての答えがココにあるような気がして、ぜひ訪れてみたい憧れの場所となりました。
今後もおふたりの活動と大和野菜に注目していきますのでお楽しみに♪
三浦さんありがとうございました^^