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【レポート】新規就農の“課題” 一番大事なお金の話

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【知らなかった農業のお金の仕組み】

みなさんは、農業ならではの「お金の仕組み」をご存知でしょうか?

農業はお手伝いぐらいしかしたことのなかった私が、先日名古屋で開催された「新・農業人フェア」を訪れ、初めて知ったのは、農業には「収穫期払い」というものがあること

タネや苗を植えてから、植物が育ち、収穫され、収入が得られるまでには、何ヶ月もの時間がかかりますよね。

農業資材などを購入する必要のある「出費がかさむ時期」と、「収入が得られる時期」にズレがあるため、販売店は収穫期に合わせて、農業者とアポを取り「集金する」のが一般的なのだとか。

収支図2

 

お話を伺ったのは、福岡県久留米市から出店されていた
老舗の種苗メーカー、パイオニア的存在である株式会社久留米原種育成会の、育種・販売会社「久育種苗(きゅういくしゅびょう)株式会社」のアペスカード統括推進リーダー木村清さん。(写真左)

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左:アペスカード統括推進リーダー木村清さん 右:営業部 小串光宏さん

 

お話を伺う中で初めて知った“農業ならではのお金の仕組み”
そして、そこから見えてきた“新規就農の課題”と“販売店が抱える課題”

“その解決の一助に”と、今年1月からサービスを開始した「久育種苗株式会社」のオリジナル商品、農業専門の決済カード「アペスカード」誕生の背景と、その思いに迫りました。

【新規就農と資金】

ところで、そもそも農業を始めるには、どのぐらいの資金が必要かご存知でしょうか?

お聞きしたところ、たとえば全くの新規で農業を始めたとして、2反(600坪)の農地をリースし、ハウスを建てた場合、初期の設備資金だけでなんと約5000万円もかかるのだとか。

この数字には私もびっくり!

莫大な初期投資が必要で、しかもすぐに収穫や収入のアップにつながるわけではなく、収穫までの時差や、天候はもちろん、最初からうまく作物が育たないことも考えられるかと思います。

加えて運転資金も必要なため、自己資金はなるべく手元に置いておきたいもの。

農林水産省が発表した平成26年の「人材の育成、確保の資料」によると、新規就農者の大きな課題として、「技術の習得」のほか、「資金の確保」「農地の確保」が挙げられており、1万5千人の新規就農に対して定着するのは約1万人とのこと。

「3割程度は生計の目処が立たないこと等から、数年以内に離農している」とあります。

 

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(*出典:平成26年/農林水産省「人材の育成・確保に関する資料」)
(*ただし、このデータは40歳未満の人。補助金である青年就農給付金制度が利用できる人は45歳まで。)

私が思っていたよりもずっと、農業を新たに始め、継続していくための「資金の確保」というのは、かなりハードルが高そうなことを知りました。

【販売店が抱える課題】

一方で、種苗専門店など農業資材の販売店にも、大きく影響を与えているのが、この農業ならではの収支の仕組み。農業には、常に天候リスクも伴います。

そのため、主にきゅうりの品種を育成、販売し、全国に10,000以上の卸先のある「久育種苗株式会社」には、販売店から次にあげるような悩みの声が多く届いていたと言います。

  • 集金が大変
  • 全額回収が難しい
  • 立て替えがつらい…
  • 新規就農者を応援したいけど、与信調査が大変…など。

【オリジナル商品の開発「アペスカード」】

こうした販売店からの悩みや課題の解決に、
そして現在の農業が抱える大きな「お金に関する課題」を解決する一助となるサービスを、久育種苗株式会社では、大手信販会社との度重なる交渉を経て開発。

それが、農業専門の決済カード「アペスカード」(*クレジット機能はありません)
農業者にとっても地域の販売店にとっても、課題解決の一助となりうる、両者にとって嬉しいサービス。

 

【農業者にとってのアペスカードとは】

金利や手数料も一切なし!
農業者や農業法人はもちろん、【新規就農者】無担保で農業資材を収穫期払いすることができる画期的なサービス。
(*ただし、条件や事前審査があります。詳しくは「アペスカード」で検索!

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*アペスカードの「アペス」はアグリペイメントシステムのこと。

【農業者にメリットだらけのアペスカード】

農業者のみなさまにとっては、メリットが盛りだくさん。

  • 選べるお支払い期限!最長約7ヶ月。
  • 金利・手数料なし!
  • 新規就農の方も無担保で資材購入!
  • お買い上げごとに「アペスポイント」が貯まる!
  • 天候不順時の嬉しいサポート「天候デリバティブ」
  • 「おはようダイヤル」で栽培の無料相談!
  • ご家族、社員の方も利用可能
  • 必要経費は、年間費1,000円(税別)のみ。

ご利用限度額は、個人か法人かにもよって異なりますが、最大300万~500万。

 

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では、なぜこんなにメリットばかりで実現できたのでしょうか?

【アペスカード誕生の背景】

それは、毎月15,000円(税別)のシステム利用料や、アペスカードによる信販売買手数料などを、販売店が負担するから。(初回のみ、初期費用10,000円(税別)が必要)

農業者が利用するには、地域の販売店がアペスカードの加盟店になる必要があり、アペスカード加盟店から購入できるものに限ります。(*対象商品は、メーカーを問わず有形の農業関連資材で、一部対象外商品もあります。)

これだけ聞くと、販売店にとっては負担が大きいようにも思えますが、アペスカードが生まれた最初のきっかけは、久育種苗の取引先である【販売店の悩みを全力サポートしたい】との思いから。

先にご紹介した、販売店が抱えていた悩み

  • 集金が大変
  • 全額回収が難しい
  • 立て替えがつらい…
  • 新規就農者を応援したいけど、与信調査が大変…など。

これらを解決するために考案された、つまり、販売店にとっても嬉しいサービスなのです。

 

【販売店にとってのアペスカードとは】

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【販売店にとってのメリット】

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上記の図にあるように、集金に関する労力や売掛金の未回収リスクが解消され、資金繰りが大きく改善されたり、新規就農者のお客様が増えれば、収益のアップにつながることなどが挙げられます。

【今までにないものを作る】

大手ホームセンターでは、似たサービスを手がけていることもご存知かもしれません。
しかし、地域に数多くある販売店のことを考えたこうしたサービスとなると、他ではなかなかできないもの。

アペスカードは、信販会社のシステムをカスタマイズした、久育種苗株式会社のオリジナル商品。

ゼロからオリジナルを作るうえで、信販会社にとっても、「農業」という天候に左右されてしまう業種の売買を扱うのは未知のこと。かなり慎重に話し合いが進められたそう。

当然、実績予測のつきにくい新規就農者ははじめ【対象外】だったのだとか。
それが実現できたのは、“農ひとすじ”久育種苗株式会社の熱意と覚悟


「新規就農の方にこそアペスカードを利用していただき、継続して農業を続けられる、その資金調達の一助になりたい」

「新規就農者の資金調達の大変さを少しでもカバーでき、農業を継続してもらえることが、ひいては、日本の農業全体の底上げにつながるのでは」

そんな思いから信販会社とさらに何度も交渉を重ね、新規就農者の方でも条件を満たした上で審査に通れば利用できるように実現できたのだそう。

「腹をくくって、やり遂げる」
そんな強い思いのもと、アペスカードは誕生しました。

 

【アペスカードの現状とこれから】

とはいえ、やはり販売店にとっても未知のことなので、
アペスカードに加盟することで、どのぐらいお客さんが増え、システム利用料や手数料を負担しても、メリットが実際どこまで生まれるのか、なかなか想像しづらいところ。

今年1月にサービスを開始し、現在は全国7つの販売店でアペスカードの取り扱いを始めたそう。(2016年9月現在)

「地道に、ひとつひとつの疑問点や問題点をクリアしながら、ご理解いただき、一歩一歩進めていきたい」とお話してくださった木村さん。

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左:アペスカード統括推進リーダー木村清さん 右:営業部 小串光宏さん

 

木村さんのお話はとっても丁寧で、素人のわたしにも大変分かりやすく、色々と教えていただいたのですが、実は、木村さんは35年間銀行に勤めてこられたベテランの元銀行員。

販売店でアペスカードを導入したとしても、農業者の方へどうご紹介、ご説明するかなど、不安もあると思いますが、はじめのうちは、木村さんも同行し「一緒に農家さんのもとへ説明に伺いたい」ともお話されていました。

長年の銀行マンの経験と種苗会社に転職されアペスカードに携わられてのご経験から、親身になってご相談にのっていただけますし、サポートも万全です。

さらには、あくまでアペスカードは資金調達の一助となるものなので、
今後「自治体とも連携していきたい」とのこと。
種苗メーカーが満を持して誕生させた“覚悟のつまった”
農業者にとっても販売店にとっても嬉しいサービス「アペスカード」。

今後、アペスカードから、自治体との連携をはじめ、どんな繋がりが生まれ、どう地域に根付き発展していくのか、これからも応援、注目していけたらと思います。

詳しくは「アペスカード」で検索!もしくはこちらをクリックしてご覧ください。

木村さん、小串さん、ありがとうございました。


会社情報

久育種苗株式会社

久育種苗株式会社

〈住所〉830-0064 福岡県久留米市荒木町藤田1413-2
〈電話〉0942-27-3038
〈HP〉http://kurume-gensyu.co.jp

 

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